名古屋で離婚時に不動産を売却する流れ 住宅ローン・財産分与・税金の注意点

「離婚することになったけれど、ローンが残っている家をどうすればいいのか分からない」「家を売ってお金で分けたいが、何から手をつければいいのか」
離婚にともなう不動産の売却は、ふつうの売却とちがい、夫婦の合意、住宅ローンの契約、財産分与、税金の特例など、先に整理しておくことがいくつもあります。
この記事では、名古屋で離婚を機に家やマンションを売りたい方に向けて、売る前に確認すること、財産分与の考え方と期限、離婚前と離婚後のどちらで売るべきか、税金の注意点、仲介と買取の選び方までを順番に解説します。
名古屋で離婚にともない不動産を売却するなら、まず知っておきたい結論
先に結論をお伝えします。名古屋で離婚にともなって不動産を売却するなら、「名義」「住宅ローンの残高と契約内容」「今いくらで売れるか」の3つを最初に確認し、夫婦で売却の条件を決めてから動くことが、トラブルを防ぐいちばんの近道です。
家を売って現金にすれば、財産をきれいに分けやすく、離婚後に元の配偶者と関わり続ける必要もなくなります。一方で、住宅ローンが売却価格を上回っている場合や、共有名義で相手が売却に反対している場合は、簡単には売れません。また、財産分与には請求できる期限があり、税金の特例も「いつ、誰に売るか」で使えるかどうかが変わります。
感情的になりやすい時期だからこそ、数字と事実を先にそろえてから話し合うことを意識しましょう。
離婚後の家はどうする?4つの選択肢
離婚するときの持ち家の扱い方は、大きく分けて次の4つです。

| 選択肢 | 主なメリット | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 売却して現金で分ける | 分けやすく、離婚後の関係を断ちやすい | ローンが残る場合は完済が前提になる |
| どちらかが住み続ける | 子どもの転校や引っ越しを避けられる | ローンの名義や返済の負担が問題になりやすい |
| 賃貸に出す | 家賃収入を得ながら持ち続けられる | 空室や修繕の負担、収入の分け方で揉めやすい |
| 共有のまま持つ | すぐに決めなくてよい | 将来売るときに元配偶者の同意が必要になる |
売却して現金で分ける
もっとも整理しやすい方法です。売却代金から住宅ローンの残りや売却にかかった費用を差し引き、残ったお金を財産分与の取り決めにしたがって分けます。家という「分けにくい財産」が現金に変わるため、話し合いがまとまりやすくなります。
どちらかが住み続ける
子どもの学区を変えたくないなどの理由で、どちらかが住み続けるケースです。住み続ける側が家を取得する場合は、出ていく側に家の価値の半分相当のお金(代償金)を払って調整するのが一般的です。ただし、ローンの名義人が出ていき、名義人でない側が住み続ける形は、返済が滞ったときのリスクが大きいため慎重に考えましょう。
賃貸に出す・共有のまま持つ
賃貸に出したり、共有名義のまま持ち続けたりすると、離婚後も家賃収入の分け方や修繕費、将来の売却について元配偶者と話し合う必要が残ります。時間がたつほど連絡が取りにくくなり、いざ売ろうとしたときに同意が得られないこともあります。特別な理由がなければ、離婚の時点で売却するか、どちらか一方の単独名義に整理しておくほうが安心です。
離婚で不動産を売却する前に確認する4つのこと
売るかどうかを決める前に、次の4つを確認しておきましょう。ここがあいまいなままだと、話し合いが何度も振り出しに戻ってしまいます。
1.家の名義は誰になっているか
家の所有者は、法務局で取得できる登記事項証明書(登記簿)で確認できます。不動産を売れるのは名義人だけで、夫婦の共有名義なら、家全体を売るには原則として共有者全員の同意が必要です。夫の単独名義でも、婚姻中に買った家であれば財産分与の対象になる点には注意しましょう。
2.住宅ローンの契約内容(債務者・連帯保証人)
住宅ローンの借り方には、単独のローン、夫婦それぞれが借りるペアローン、夫婦で1本のローンを借りる連帯債務、一方が連帯保証人になる形などがあります。離婚しても、金融機関との契約は自動的には変わりません。夫婦の間で「今後は夫が払う」と決めても、妻が連帯保証人のままなら、返済が滞ったときに請求を受ける可能性があります。金融機関から届く書類やローン契約書で、誰がどんな立場で借りているかを確認しておきましょう。
3.住宅ローンの残高
金融機関から毎年届く残高証明書や返済予定表で、今の残高を確認します。オンラインで確認できる金融機関もあります。
4.今いくらで売れるか(査定)
家の価値が分からなければ、売るか住み続けるかも、財産をどう分けるかも決められません。不動産会社に査定を依頼して、おおよその売却価格を把握しましょう。名古屋市内でも、地下鉄沿線の駅近くのマンションと、車での移動が前提になる郊外の戸建てとでは、売れやすさや価格の決まり方が大きく異なります。1社だけでなく複数の会社の査定額と根拠を比べると安心です。査定の受け方は名古屋の不動産査定でもくわしく紹介しています。
財産分与の基本と請求期限
家を売ったお金をどう分けるかは、財産分与のルールが基準になります。
対象になるのは「婚姻中に夫婦で築いた財産」
財産分与の対象になるのは、結婚してから夫婦の協力で築いた財産です。家の名義が夫だけでも、婚姻中に買った家なら原則として対象になります。一方、結婚前から持っていた財産や、親から相続・贈与を受けた財産は、原則として対象外です。たとえば頭金の一部に結婚前の貯金や親からの援助を使った場合は、その分を考慮して分け方を調整することがあります。
分け方は原則として2分の1ずつ
収入の差や、どちらが家事・育児を担っていたかにかかわらず、財産分与は夫婦で2分の1ずつ分けるのが基本とされています。ただし、夫婦の話し合いで合意できれば、これと違う割合で分けることもできます。
請求できる期限に注意
財産分与は、離婚後いつまでも請求できるわけではありません。2024年の民法改正により請求できる期間が見直され、2026年4月1日以降に離婚した場合は離婚後5年以内、それより前(2026年3月31日以前)に離婚した場合は従来どおり離婚後2年以内が原則です。離婚を急ぐあまり家の扱いを決めないまま離婚し、そのまま期限が過ぎてしまうことのないようにしましょう。
売却代金は「手取り」で分ける
売却価格をそのまま半分にするのではなく、ローンの残りや仲介手数料、登記費用などを差し引いた「手取り額」を分けるのが一般的です。費用を考えずに分ける金額だけ先に決めてしまうと、あとで足りなくなることがあります。売却代金をどちらの口座で受け取り、いつ分けるのかも、あらかじめ決めておきましょう。
住宅ローンが残っている不動産を離婚時に売却する方法
ローンが残っている家を売るときは、まず売却価格とローン残高のどちらが大きいかを確認します。

アンダーローン(売却価格がローン残高を上回る)
売却代金でローンを完済できる状態です。決済の日にローンを返し、抵当権(金融機関の担保)を抹消して買主に引き渡します。残ったお金を財産分与で分けるため、比較的スムーズに進められます。
オーバーローン(ローン残高が売却価格を上回る)
売っても借金が残る状態です。通常の売却では、不足分を預貯金などで用意してローンを完済しないと、抵当権を外せず売ることができません。不足分を用意できない場合は、売却を急がずにどちらかが住み続けて返済を続ける、金融機関の同意を得て売る「任意売却」を検討する、といった方法があります。任意売却は返済が難しくなった場合の手段で、信用情報への影響などのデメリットもあるため、くわしくは名古屋の任意売却の記事もご覧ください。
ペアローン・連帯保証は離婚しても残る
ペアローンや連帯債務、連帯保証の形で借りている場合、家を売らずにどちらかが住み続けると、出ていった側にも返済の責任が残り続けます。住み続ける側の単独のローンに借り換える、新たな連帯保証人を立てるといった方法もありますが、いずれも金融機関の審査と承諾が必要で、必ず認められるとは限りません。こうした不安を残さずに済む点も、離婚時に売却を選ぶ理由のひとつです。
離婚前と離婚後、不動産の売却はどちらがよい?
家を売るタイミングは、離婚の前でも後でもかまいません。それぞれのメリットと注意点を比べて決めましょう。
離婚前に売却する場合
まだ夫婦として連絡を取り合える時期なので、売り出し価格の決定や内覧の対応、契約手続きで協力を得やすいのがメリットです。売却代金が確定してから財産分与の金額を決められるため、分け方もはっきりします。一方で、売れるまで離婚の手続きが進まなかったり、売却代金を離婚前に一方へ渡すと財産分与ではなく贈与と扱われるおそれがあったりするため、代金の分配は離婚の成立に合わせて行うのが無難です。
離婚後に売却する場合
離婚の手続きを先に済ませ、売却に集中できる点がメリットです。ただし、離婚後は元配偶者と連絡が取りにくくなり、共有名義の場合は売却に協力してもらえないこともあります。前述の財産分与の請求期限もあるため、離婚協議書などで「いつまでに、いくら以上で売るか」を決めてから離婚するのがおすすめです。
税金の特例の使い方でも差が出る
自宅を売って利益が出たときに使える「マイホームを売ったときの3,000万円特別控除」は、夫婦や親子など特別な関係にある人へ売った場合には使えません。離婚前に配偶者へ家を売る形は、この特例の対象外になります。また、別居などで家に住まなくなった場合も、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売れば、特例の対象になる場合があります。別居が長引いている方は、この期限も意識しておきましょう。
名古屋で離婚にともなう不動産売却を進める流れ
離婚にともなう売却は、おおむね次の順番で進めます。
- 名義と住宅ローンを確認する:登記事項証明書とローンの契約書・残高証明書を用意します。
- 査定を受ける:売却価格の目安を知り、アンダーローンかオーバーローンかを確認します。
- 手取り額を計算する:売却価格からローン残高と売却費用を差し引き、手元に残る金額を出します。
- 夫婦で売却条件を決める:売り出し価格、値下げする場合の下限、売却の期限、代金の分け方を決めます。
- 離婚協議書・公正証書にまとめる:決めた内容を書面に残します。
- 売却活動・売買契約:仲介なら買主を探し、買取なら不動産会社と条件を調整して契約します。
- 決済・引き渡し・代金の分配:代金を受け取ってローンを完済し、取り決めどおりに分けます。
なお、2026年4月1日から、不動産の所有者が住所や氏名を変えたときは、変更から2年以内に変更登記を申請することが義務になりました(2026年3月31日以前の変更は2028年3月31日まで)。離婚で姓や住所が変わった名義人が売却する場合は、登記上の住所・氏名を変更しておく必要があるので、司法書士や名古屋法務局の案内も確認しておきましょう。
離婚時の不動産売却にかかる税金と費用
売却益が出たら譲渡所得税がかかる
不動産を買ったときより高く売れて利益(譲渡所得)が出た場合は、所得税と住民税がかかります。税率は、売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているかどうかで変わります。名古屋市内や近郊では、購入時より高く売れるケースもあるため、利益が出そうな場合は前述の3,000万円特別控除が使えるかを確認しましょう。特例で税金がゼロになる場合も、確定申告は必要です。
財産分与で受け取ったお金に贈与税はかかる?
国税庁の案内では、離婚による財産分与で受け取った財産には、通常は贈与税がかかりません。ただし、婚姻中に夫婦で築いた財産の額などを考えても多すぎる部分や、贈与税・相続税を逃れるための離婚と認められる場合は、贈与税の対象になります。
家そのものを財産分与で渡す場合の注意
家を売らずに、そのまま相手に渡して財産分与する場合は、渡した側がその時点の時価で家を売ったものとして扱われ、譲渡所得の税金がかかることがあります。受け取った側は、受け取った日の時価で取得したことになります。「売っていないから税金はかからない」と思い込まず、事前に税務署や税理士に確認しておきましょう。
売却にかかる主な費用
仲介で売る場合は、仲介手数料(売買価格が400万円を超える場合は「売買価格の3%+6万円+消費税」が上限)がかかります。そのほか、売買契約書の印紙税、ローンの抵当権を抹消する登記の費用、住所・氏名の変更登記の費用などが必要です。これらを差し引いた金額が、夫婦で分ける手取り額になります。
離婚時の売却は仲介と買取のどちらを選ぶ?
家を売る方法には、不動産会社に買い手を探してもらう「仲介」と、不動産会社に直接売る「買取」があります。離婚の事情によって向いている方法が変わります。

仲介が向いているケース
売却までの期限に余裕があり、少しでも高く売りたい場合は仲介が基本です。名古屋市内の駅に近いマンションや人気の住宅地の戸建てなど、買い手がつきやすい物件なら、相場に近い価格で売れる可能性があります。ただし、売れるまで通常3〜6ヶ月ほどかかり、その間は内覧の対応や値下げの判断で夫婦の協力が必要です。
買取が向いているケース
次のような事情がある場合は、買取のほうがスムーズに進むことがあります。
- 離婚の成立や財産分与の期限に合わせて、売却時期と金額を早く確定させたい
- 別居していて、内覧の対応や売却活動の協力が難しい
- 近所の人に離婚や売却を知られたくない
- 築年数が古い、傷みがあるなど、仲介では買い手がつきにくい
買取は仲介より価格が下がるのが一般的ですが、買い手を探す期間がないため、条件がまとまれば短期間で現金化できます。売却活動を広く公開しないので、周囲に知られにくいのもメリットです。
両方の金額と期間を比べて決める
離婚時の売却では、「高く売りたい」夫と「早く売りたい」妻のように、意見が分かれることも少なくありません。名古屋不動産買取本舗では、買取と仲介のどちらにするか迷っている方に、両方の概算金額と期間をお出しして比べていただいています。仲介は提携のあさひ不動産コンサルティング株式会社が担当し、売主様の仲介手数料は無料です(不動産仲介について)。数字を並べて見ることで、夫婦の話し合いも進めやすくなります。
離婚時の不動産売却で起こりやすいトラブルと防ぎ方
売り出し価格や値下げで意見が合わない
売り出し後に「いつ、いくらまで下げるか」で揉めるケースはよくあります。売却を始める前に、値下げの時期と下限の価格、それでも売れなかった場合に買取へ切り替えるかどうかまで決めておくと、話し合いのやり直しを防げます。
住んでいる側が内覧や退去に協力しない
どちらかが住み続けている家を仲介で売る場合、内覧の日程調整や室内の片付けに協力してもらえないと、売却が長引きます。退去の時期や内覧への協力を、あらかじめ書面で取り決めておきましょう。
口約束だけで、ローンの契約を変えていない
「家は妻が住み、ローンは夫が払い続ける」といった取り決めを口約束だけで済ませ、金融機関の契約を変えていないと、支払いが止まったときに大きなトラブルになります。取り決めた内容は離婚協議書にまとめ、支払いの約束が守られなかったときに備えるなら、公正証書にしておくと安心です。
話し合いがまとまらないとき
夫婦の話し合いで合意できない場合は、家庭裁判所の調停で話し合う方法があります。共有名義の相手が売却に応じない、財産分与の割合で争いがあるといった場合は、早めに弁護士へ相談しましょう。
名古屋での離婚と不動産売却でよくある質問
別居中でも家を売却できますか?
売却できます。共有名義の場合は双方の同意と契約手続きへの協力が必要ですが、離れて暮らしていても、書類の郵送などで手続きを進められるケースが多いです。内覧への協力が難しい場合は、買取を検討するのもひとつの方法です。
相手に知られずに査定だけ受けられますか?
査定は、所有者や共有者の一人からでも依頼できることが多く、価格を知るだけなら売却の義務もありません。ただし、共有名義の家を実際に売るには、相手の同意が必要です。
住宅ローンが残っていても売れますか?
売却代金でローンを完済できれば売却できます。決済の日にローンを返済し、抵当権を抹消して引き渡します。売却代金だけでは足りない場合も、まずは不動産会社や金融機関に相談してみましょう。
離婚して名古屋を離れていても売却できますか?
できます。名古屋不動産買取本舗では、遠方の方とも電話やZOOMでご相談をお受けしています。現地に何度も足を運ばずに売却を進められるケースもありますので、お気軽にお問い合わせください。
売却で損が出た場合も確定申告が必要ですか?
売却で損失が出た場合は、譲渡所得の税金はかかりません。ただし、一定の条件を満たすマイホームの売却では、損失をほかの所得と差し引きできる特例が使える場合があり、そのためには確定申告が必要です。くわしくは税務署や税理士に確認してください。

まとめ:名古屋で離婚時の不動産売却に迷ったら、まずは査定で現状把握を
離婚にともなう不動産の売却は、名義と住宅ローンの確認から始まり、財産分与の取り決め、売るタイミング、税金の特例、売り方の選択まで、決めることがたくさんあります。まずは家の価値とローン残高を確認し、手取り額を出したうえで、夫婦で売却条件を決めることが大切です。財産分与には請求の期限があり、税金の特例も売り方や時期で使えるかが変わるため、早めに動き始めましょう。
名古屋不動産買取本舗は、転売ではなく自社の賃貸物件として不動産を買い取っています。転売益や仲介手数料を見込む必要がないため、買取価格は周辺相場の8〜9割程度が目安で、条件がまとまれば最短で数日〜2週間程度で決済まで進んだケースもあります。くわしくは不動産買取りについてをご覧ください。
「売るかどうかはまだ決めていないけれど、いくらになるか知りたい」という段階でも大丈夫です。査定と相談は無料で、しつこい営業もいたしません。名古屋の不動産買取は、名古屋不動産買取本舗にお気軽にご相談ください。