名古屋の訳あり物件を買取で手放す方法 種類別の価格目安と告知義務

「古い家で傷みがひどく、仲介では買い手がつかなかった」「兄弟と共有名義のままで、話がまとまらない」「親が住んでいた家で孤独死があり、どう売ればいいかわからない」
このように、ふつうの売り方ではなかなか売れない事情を抱えた不動産は「訳あり物件」と呼ばれます。
この記事では、名古屋で訳あり物件を手放したい方に向けて、訳あり物件の種類、名古屋で訳ありになりやすい事情、仲介で売れにくい理由、種類別の買取価格の目安、売る前に知っておきたい告知義務と契約不適合責任、相談から売却までの流れをまとめて解説します。「この物件は売れるのだろうか」と迷っている段階の方も、判断材料としてお役立てください。
名古屋の訳あり物件は「買取」なら手放せるケースが多い
先に結論をお伝えします。名古屋の訳あり物件を早く、手間をかけずに手放したいなら、不動産会社に直接売る「買取」を検討する価値があります。
訳あり物件は、住宅ローンが組みにくい、買い手が気にする事情があるといった理由から、一般の買い手を探す「仲介」では長く売れ残ることがあります。買取なら不動産会社そのものが買主になるため、買い手を探す期間がなく、修繕や片付けをしないまま話を進められるケースが多いのが特徴です。
ただし、買取の価格は一般の物件の相場より低くなるのが普通です。事情によっては買取を断られることや、時間をかけて仲介で売ったほうが手取りが多くなることもあります。「訳あり=買取しかない」と決めつけず、物件の事情を整理したうえで、買取と仲介の両方を比べることが大切です。
訳あり物件とは?主な4つの種類
「訳あり物件」に法律で決まった定義はありません。一般的には、建物や土地、権利関係、周辺環境などに何らかの問題(瑕疵=かし)があり、ふつうの物件より売りにくい不動産のことを指します。問題の中身によって、大きく次の4つに分けられます。
| 種類 | どんな問題か | 主な例 |
|---|---|---|
| 物理的な問題 | 建物や土地そのものに欠陥・傷みがある | 雨漏り、シロアリ被害、建物の傾き、老朽化した空き家、ゴミ屋敷、土壌汚染 |
| 心理的な問題 | 住むことに抵抗を感じる事情がある | 自殺や事件があった家、発見が遅れた孤独死があった家 |
| 法律・権利の問題 | 法律の制限や権利関係の制約がある | 再建築不可、共有名義・共有持分、借地権付きの建物、底地、違法建築、境界が決まっていない土地 |
| 環境的な問題 | 周辺環境に買い手が気にする要素がある | 騒音やにおいの出る施設が近い、浸水などの災害リスクが高い |
物理的な問題がある物件
建物の傷みや欠陥がある物件です。修繕に大きな費用がかかりそうな家は、一般の買い手が購入をためらいます。家具やゴミが大量に残っている家も、片付けに費用がかかるため訳ありとして扱われることがあります。
心理的な問題がある物件
いわゆる「事故物件」です。建物そのものに問題がなくても、過去の出来事を気にする買い手が多いため、売りにくくなります。
法律・権利の問題がある物件
建て替えができない土地、ほかの人と共有している不動産、土地を借りて建てた家などです。買った人が自由に使えない、住宅ローンが組みにくいといった制約があるため、買い手が限られます。
環境的な問題がある物件
物件そのものではなく、まわりの環境に気になる点がある物件です。気になるかどうかは人によって差が大きく、仲介でも問題なく売れることがあります。
名古屋で訳あり物件になりやすい事情

訳ありの事情は全国どこでも起こりますが、名古屋の地形や街の成り立ちから、起こりやすいものもあります。ご自身の物件が当てはまるか確認してみてください。
相続後に空き家・共有名義のまま残っている
名古屋市によると、令和5年住宅・土地統計調査で市内の空き家率は約13.2%、約7軒に1軒が空き家という状況です。親から相続した家を兄弟で共有したまま誰も住まず、傷みが進んでしまった、名義変更をしないまま何年もたってしまった、というご相談は少なくありません。共有者全員の同意がそろわないと家全体を売ることはできないため、話し合いが進まないうちに「訳あり」になってしまうケースがあります。
西部・南部の低い土地では浸水リスクが気にされる
名古屋市の北・西・中村・中川・港区と、熱田・南区の一部は、川が運んだ土砂でできた低い土地(沖積地)で、もっとも低いところは海抜マイナス1.73メートルとされています。伊勢湾台風で大きな被害を受けた地域でもあり、買い手が浸水のリスクを気にすることがあります。過去に床下・床上浸水した家は、建物の傷みとあわせて評価が下がる場合があります。
東部の丘陵地では高低差や擁壁が問題になることも
守山・千種・名東・天白・緑区など東部は丘陵地で、坂の多い住宅地もあります。道路と敷地に高低差がある土地や、古い擁壁(土留めの壁)がある土地は、建て替えのときに擁壁のやり直しが必要になることがあり、費用がかさむぶん買い手が慎重になります。
古い住宅地の細い道沿いで建て替えが難しい
古くからの住宅地では、細い路地の奥に建つ家や、長屋の一部、道路に2メートル以上接していない土地が見られます。こうした土地は建て替えができない「再建築不可」にあたることがあり、住宅ローンが組みにくいため一般の買い手が限られます。くわしくは名古屋の再建築不可物件の買取で解説しています。
借地の上の家や、人に貸している土地(底地)
土地を借りてその上に家を建てている「借地権付きの建物」や、土地を貸して地代を受け取っている「底地」も、権利関係が複雑なため一般の買い手に敬遠されがちです。売却には地主や借地人との調整が必要になることがあります。借地権の売り方は名古屋の借地権の買取もあわせてご覧ください。
訳あり物件が仲介で売れにくい理由
仲介は、不動産会社が広告などで一般の買い手を探す売り方です。相場に近い価格で売れる可能性がある反面、訳あり物件では次のような壁にぶつかりやすくなります。
住宅ローンが組みにくく、買い手が限られる
再建築不可の物件や、借地・共有持分など権利に制約がある物件は、金融機関の担保としての評価が低く、住宅ローンが組みにくい傾向があります。現金で買える人に限られるため、買い手がなかなか見つかりません。車での移動が多い名古屋の郊外では、駐車場をとれない細い道沿いの家も敬遠されやすくなります。
修繕や片付け、値下げを求められる
傷みのある家を仲介で売ると、買い手から修繕や値引き、残った荷物の片付けを求められることがあります。売る前にお金をかけて直しても、そのぶん高く売れるとは限りません。
広告で近所や親族に知られやすい
仲介では物件情報をインターネットやチラシに掲載するため、売りに出していることが周囲に知られやすくなります。事故物件や共有名義の事情を抱えている場合、これが心理的な負担になることもあります。
売った後の責任が重くなりやすい
個人の買い手に売る場合、引き渡し後に契約内容と違う不具合が見つかると、売主が修理や代金の減額、損害賠償などの責任を問われることがあります(契約不適合責任)。問題を抱えた物件ほど、売った後のトラブルが心配になります。
名古屋で訳あり物件を買取で売るメリット・デメリット
メリット:早く、今の状態のまま売れる
- 買い手探しが不要:不動産会社が直接買うため、条件がまとまれば短い期間で売却できます。
- 修繕や片付けをしなくてよいことが多い:傷んだ家や荷物が残った家でも、そのままの状態で相談できるケースがあります。
- 売った後の責任を免除する契約にできることが多い:買主が不動産会社のため、契約不適合責任を負わない条件で契約できる場合があります。
- 仲介手数料がかからない:不動産会社が買主なので、仲介手数料は不要です。
- 周囲に知られにくい:広告を出さないため、近所に知られずに売却を進めやすくなります。
デメリット:価格が下がる・断られることもある
- 価格は一般の相場より低くなる:修繕費や権利の整理にかかる手間などが差し引かれます。
- 会社によって対応できる物件が違う:権利関係が複雑な物件や、いくつもの事情が重なった物件は、買取を断られることもあります。
- 会社によって価格の差が大きい:1社だけで決めると、必要以上に安く手放してしまうおそれがあります。
訳あり物件の買取価格の目安と決まり方

種類別の買取価格の目安
訳あり物件の買取価格は、訳ありの内容や物件の条件によって大きく変わります。買取業者の解説記事などでは、通常の相場に対しておおむね次のような目安が紹介されることがあります。
| 訳ありの種類 | 通常相場に対する目安 |
|---|---|
| 事故物件 | 5〜8割程度 |
| 再建築不可 | 5〜7割程度 |
| 借地権付きの建物 | 4〜6割程度 |
| 共有持分(自分の持分だけ) | 3〜5割程度 |
これはあくまで一般的な目安で、根拠となる統計があるわけではありません。名駅や栄、地下鉄の駅に近いなど立地がよい、土地が広いといった条件がそろえば、目安より高く売れることもあります。逆に、いくつもの問題が重なっている場合は、さらに低くなることもあります。
買取価格はどう決まるのか
多くの買取業者は、買い取った物件を直して転売し、その差額で利益を出しています。そのため買取価格は、「問題を解消した後に売れそうな価格」から、修繕・解体・片付けの費用、権利の整理にかかる費用や時間、転売までの経費、会社の利益を差し引いて決まります。
同じ物件でも、その会社がどんな方法で問題を解消できるか、買い取った後にどう使うかによって提示額は変わります。金額だけでなく、その金額になった理由を説明してもらうことが大切です。
査定額ではなく「手取り」で比べる
査定額が高くても、測量費や残置物の処分費、解体費などを売主が負担する条件だと、最終的な手取りは少なくなります。複数の会社を比べるときは、売主が負担する費用を差し引いた金額で比べましょう。
種類別に見る、訳あり物件を売るときのポイント
訳ありの中身によって、売る前に確認しておきたいことが変わります。代表的なケースのポイントをまとめました。
事故物件:いつ・何があったかを整理する
亡くなった時期や場所、原因、特殊清掃をしたかどうかを、わかる範囲で整理しておきましょう。時間がたっていても、事実を正確に伝えることが後のトラブル防止につながります。
共有名義:全体を売るか、持分だけを売るか
不動産全体を売るには共有者全員の同意が必要です。自分の持分だけなら単独で売れる場合もありますが、価格は大きく下がる傾向があり、ほかの共有者との関係にも影響します。まずは共有者と話し合えるかどうかを考え、難しい場合は不動産会社や弁護士・司法書士に相談しましょう。
ゴミ屋敷・残置物が多い家:片付ける前に相談する
自分で業者を呼んで片付けると、思った以上の費用がかかることがあります。買取では荷物が残ったままでも相談できることがあるため、片付けを始める前に、処分費の扱いを含めて見積もりを取るのがおすすめです。
境界が決まっていない土地:測量の要否を確認する
隣の土地との境界がはっきりしないと、仲介では測量を求められることが多くなります。買取では境界が決まっていないまま相談できる場合もありますが、測量費を誰が負担するかで手取りが変わるので、条件を確認しておきましょう。
ローンの返済が苦しい・差押えがある場合
住宅ローンの残りを売却代金で返しきれない場合や、税金の滞納で差押えを受けている場合は、債権者(金融機関や役所)との調整が必要です。手続きには期限があることも多いので、早めに専門家や不動産会社に相談してください。
訳あり物件を売る前に知っておきたい告知義務と契約不適合責任
知っている問題は隠さず伝える
売主は、知っている物件の問題を買主に伝える必要があります。雨漏りやシロアリ被害、過去の浸水、境界のトラブル、過去に人が亡くなったことなどを隠して売り、後で発覚すると、契約の解除や損害賠償を求められるおそれがあります。買取でも同じなので、査定の段階から正直に伝えましょう。
人の死の告知は国のガイドラインが目安になる
国土交通省は令和3年10月に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表しています。主なポイントは次のとおりです。
- 老衰や病気による自然死、階段からの転落や浴槽での溺死など日常生活の中での不慮の死は、原則として告げなくてもよいとされています。
- ただし、自然死などでも発見が遅れて特殊清掃などが行われた場合は、告知の対象になります。
- 賃貸では、告知が必要な場合でも、おおむね3年が経過すれば原則として告げなくてもよいとされていますが、売買にはこうした期間の目安はありません。
- 買主から聞かれた場合や、社会的な影響が大きい事案などは、告げる必要があるとされています。
このガイドラインは不動産会社が調査・告知するときの目安です。伝えるべきか迷う事情があれば、自己判断せずに不動産会社へ相談してください。
売った後の責任(契約不適合責任)の範囲を確認する
買取では、売主の契約不適合責任を免除する特約をつけることが多くあります。ただし、免除の範囲は契約書の書き方次第です。「どの不具合について責任を負わないのか」が具体的に書かれているかを確認しましょう。また、免除の特約があっても、売主が知っていながら伝えなかった問題については責任を問われる場合があります。
名古屋で訳あり物件の買取を相談するときの流れ

- 事情を整理して相談する:物件の住所、名義、どんな問題があるか(傷み、共有、借地、事故など)を、わかる範囲で伝えます。
- 概算査定:住所や資料をもとに、おおよその金額と、買取・仲介のどちらが向くかの見通しを聞きます。
- 現地確認・権利の確認:建物の状態や前面道路、境界、登記の内容などを確認します。共有者や地主との調整が必要かどうかもここで見えてきます。
- 条件の提示:正式な金額、引き渡しの時期、残置物の扱い、売主が負担する費用、契約不適合責任の範囲などが提示されます。
- 売買契約・決済:条件に納得できたら契約し、代金の受け取りと所有権の移転登記を行います。
相続登記が済んでいない、共有者全員の同意が必要、地主の承諾が必要といった場合は、その手続きの分だけ期間が延びます。相続登記は2024年4月から義務化されているので、売るかどうかにかかわらず早めに確認しておくと安心です。
相談前に用意しておきたい資料
登記済権利証(登記識別情報)、固定資産税の納税通知書、図面や測量図、借地の場合は土地の賃貸借契約書などがあると、査定がスムーズです。すべてそろっていなくても相談はできますので、手元にあるものから準備しましょう。
名古屋から離れて住んでいても相談できる
相続した名古屋の実家を、県外に住む方が売るケースもよくあります。電話やオンラインで相談し、書類のやり取りを郵送で行えば、何度も名古屋に来なくても売却を進められることが多いです。鍵の受け渡しや現地の立ち会いの方法も、早めに相談しておきましょう。
名古屋で訳あり物件の買取業者を選ぶポイント
できること・できないことをはっきり説明してくれるか
訳あり物件は、事情によって対応できる会社とできない会社があります。買い取れるかどうか、難しい場合はなぜなのかを、はっきり説明してくれる会社を選びましょう。
金額の根拠を説明してくれるか
最初に高い概算を出して契約の直前に理由をつけて減額する会社や、「早く手放したい」という事情につけ込んで安い金額を提示する会社には注意が必要です。どの費用をいくら差し引いたのか、根拠を説明してくれるかを確認しましょう。
買取だけでなく仲介も選べるか
物件によっては、時間をかけて仲介で売ったほうが手取りが多くなることもあります。買取しか扱っていない会社では、それ以外の選択肢を提案してもらえません。買取と仲介の両方を扱う会社なら、両方の見通しを聞いたうえで選べます。
名古屋の土地事情や専門家とのつながりがあるか
低い土地の浸水リスク、丘陵地の擁壁、古い住宅地の接道など、名古屋の土地事情にくわしい会社のほうが評価の話が早いことがあります。共有名義や相続登記の整理が必要なら、司法書士などの専門家と連携できるかどうかも確認しておくとよいでしょう。
名古屋の訳あり物件の買取でよくある質問
どんな訳あり物件でも買い取ってもらえますか?
すべての訳あり物件が買い取ってもらえるとは限りません。権利関係が複雑な場合や、問題がいくつも重なっている場合は、断られることもあります。1社に断られても、別の会社なら対応できることがあるため、まずは複数の会社に相談してみましょう。
家の中に荷物が残ったままでも売れますか?
買取の場合は、荷物が残ったままでも相談できることがあります。ただし、処分費用を売主が負担するのか、買取価格から差し引くのかは会社によって異なるため、条件の提示のときに確認しておきましょう。
相続登記がまだですが、相談できますか?
相談はできます。ただし、実際に売却するには相続登記で名義を変える必要があります。司法書士への依頼が必要になることが多いので、相談の段階で状況を伝えておくとスムーズです。
事故物件であることを近所に知られずに売れますか?
買取であれば広告を出さずに売却を進められるため、仲介に比べて周囲に知られにくくなります。ただし、買主となる不動産会社には事実を正確に伝える必要があります。
査定をお願いしたら、必ず売らないといけませんか?
査定を受けたからといって、売る義務はありません。金額や条件を聞いたうえで、売らない、仲介で売るといった判断をしても問題ありません。
まとめ:名古屋の訳あり物件は事情を整理して早めに相談を
訳あり物件には、建物の傷み、事故物件、再建築不可や共有名義・借地といった権利の問題、浸水リスクなどの環境の問題など、さまざまな種類があります。名古屋では、相続後に空き家や共有名義のまま残った家、低い土地や丘陵地の土地条件、古い住宅地の細い道沿いの家などが、訳ありの原因になりやすい傾向があります。
早く、今の状態のまま手放したいなら買取が選択肢になりますが、価格は相場より低くなり、会社によって対応や金額に大きな差があります。知っている問題は正直に伝えたうえで、複数の会社の条件を手取りで比べ、契約不適合責任の範囲まで確認してから決めましょう。
名古屋不動産買取本舗は、転売ではなく自社の賃貸物件として不動産を買取りしており、提携会社による仲介もご案内できます。訳ありの物件は、事情によって買取が難しい場合もありますが、物件の状況を伺ったうえで、買取と仲介それぞれの概算金額と期間をお出しし、比べて選んでいただけます。最初に高い概算を出して後から減額するようなことはせず、金額の根拠もご説明します。名義の整理などで司法書士が必要な場合は、専門家のご紹介もいたします。
住所がわかれば概算金額をお伝えできますので、「この物件は売れるのだろうか」という段階でも、まずはご相談ください。査定と相談は無料で、しつこい営業もいたしません。名古屋の不動産買取は、名古屋不動産買取本舗にお気軽にお問い合わせください。